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支部団体戦 東日本大会レポート パート7

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・支部団体戦の東日本大会に話もそろそろ終わります。
決勝は栃木県中支部となりました。準決勝から各組合せずつ席が離れることになります。(よって隣の将棋は見ることができません)

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私のところはこの出だし。もう何十局、何百局と指してきた形です。

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角換り棒銀はある意味自分の今までの集大成かなと思っている。チームメイトから「全国の決勝でよく超急戦できましたね。」言われましたが。
実戦は△45角、▲56香、△27銀、▲58飛、△18銀成、▲12香成、△29成銀、▲21成香、△17歩成、▲11角、△65桂(次に図)とお互いわが道を行く進行。この形実は経験ありだったりする。というか決勝だからこそ慣れていることをやるほうが良いと思っている。慎重になるのと臆病になるのは似て非なるものなのである。

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このちょっと前の局面から▲53香成と指すつもりだったが(次に▲33角成の必殺手がある)△52金とか受ける手が気になり(よく考えると△42銀と受けるか・・・)ほぼノータイムで▲46歩と突いたら「う~ん、切るべ」と言って△56角~△57香を浴びてしまった。▲46歩突いた瞬間に気づいたが時すでに遅し。予定変更はたいていうまくいかないね・・・

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後手も72に銀がある状態だと玉が狭く感じたらしく手堅く△63銀と指したが疑問手だった(本人談)次の1手はお分かりいただけると思う。

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やたらと調子よく指しているつもりだが自陣もそこまで安心できる状態ではない。△88角は油断のならない手で香車を補充するだけでなく△11角と飛車を取る手も狙っている。実戦はここから▲61桂成、△同玉、▲43馬、△52香、▲98金!(ノータイム)と進んだ。
▲98金は評判が悪かったし悪手かもしれないが、これこそが今までの集大成であり自分の個性を最大限に発揮した手だと思っている。(結果としてほとんど意味のない手になったけどね・・・)

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▲98金という危ない手を指したばかりに自陣も怖いことになった。△65桂の王手に玉を逃げても勝つかもしれないけど面倒はご免とばかりに▲65同馬、△同歩にノータイムで▲53桂と打った。単に▲88金と角を取ると△56香で飛車が抜けるためだが勝手読みすぎたかもしれない。▲53桂は取ると飛車が抜けるから「絶対に取れない!」と思い込んでいたのだがいざ強気に△53同香と取られてみると飛車を取るしかなく(次の図)非常に自陣が怖いのである。果たして自陣は大丈夫なのか?

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いろいろな王手がありそうだが△56香、▲同玉、△44桂と進む。持ち時間は10分近く残っている。危うく上が広いと思い▲45玉とするところだったが△56角で1手詰め。これに気づくまでに2分近く費やした。時間があってホントに良かった。どこに逃げても危なそうだがあまり時間を使うと相手にも時間を渡してしまう。「助かっててくれ!」と念じながら▲57玉。これにノータイムで△79角打。取るのはさすがに詰みそうなので合駒。桂馬か香車か迷った末に香合。以下△56歩、▲47玉、△38銀、▲58玉、△68角成、▲同玉まで!
△56歩でようやく勝ちを確信した。△56銀が非常に怖かったが打ち歩詰め。はっきり言って読み切ってたわけでもなんでもなくルールに救われた格好になった。
この間に3将は敗れてしまったが大将戦はまだやっていた。とにかく攻めきれれば勝ちだし受け切られたら負けの局面だったがあえて見ないようにした。最後は勝つだろうと信じてたしあまりギャラリーが多いと緊張するだろうと思ったから。
意図的に会場から離れてしばらくして「大将勝ち!」の知らせが届いた。なんというかものすごい喜びが込み上げてきたとかそういった感情は無く「ああ、終わったんだな」と思ったのが正直なところ。
係りの人から「四段免状の申請手続き」の説明を受けているときに札幌中央支部の方々や個人代表の方から「おめでとうございます!」と言っていただいていくらか実感がわいてきたのかなと思う。考えてみたら個人代表のY選手から名前で呼ばれたのはじめてな気がします。
この後は表彰式だが帰りの飛行機に乗るための汽車の時間が迫っているので大焦りである。
表彰式も大方終わり島朗先生(九段)のご挨拶を頂戴して賞状授与等を終わらせて最後は写真撮影である。「笑顔でお願いします」とカメラマンの方が言っているのだが「急いでるから早くして」とずっと思ってました。大将のご両親からも「せっかくだから3人で撮影しませんか?」とお誘いいただきましたが完全にタイムオーバーなので泣く泣く辞退。もう少し時間に余裕がほしかったです。
そんなこんなであとは帰るだけということで次回パート8に続きます。と言いたいところですが今回の
最後の締めということで以下のお話をご覧いただければと思います。
本大会の出場が決まった段階で何人か激励や祝福のメール等を頂戴しました。割と言われたのが(最低3人)「君の勝敗がチームの勝敗を左右する」という趣旨のこと。責任重大だなと思ってたし自分でもある程度は自分の役割は理解しているつもりだった。しかし、お考えいただきたいのは私よりももっと責任の重い選手がいたということ。
「君の勝敗はチームの勝敗を左右する」というのは言い換えると「1人は必ず勝つ」という評価だったということ。うちの3将は将棋に復帰して間もないのでほとんどの人が実力がわからない状況だった。(そりゃもう身内でさえも)
すなわち周囲の評価は「大将は勝つでしょう」ということである。同じ支部の人なら希望的観測も含めてそういう予想をしてもおかしくないが、他の支部の方からこれほどまでに信用されるというのはすごいことだと思う。
さて、周囲の期待?に応えて大将は道予選から東日本大会の決勝まで実に10連勝を成し遂げた。本人も自分がどれだけ周囲から期待されているか、自分の役割というものを理解していたのだと思っている。だからこそ大会が近付くにつれて異常に緊張したのだろうと思う。
普通はよほどに実力差があっても10連勝なんてできるものではない。まして相手は正式免状では三段以下とはいえ道内の強豪や東日本の強豪である。ブラフだったのか本気だったのかわからないが東日本大会で対戦したとあるチームの大将が「レベルが違いすぎる」とまで言ったのである。
四段免状獲得がかかる大一番で勝利を手繰り寄せたのは3将だし、私は道予選から東日本大会で通算9勝1敗だったが(しかし一番大事なところで役に立たなかったという説がある・・・)それもこれもすべては大将が全勝したことによるチームの勝利である。
繰り返しになるが弱冠13歳か14歳の少年がチームの大将として全勝という形で責任を果たしチームを優勝に導いたのである。尋常なプレッシャーではなかったと推測できる。
「同世代の大会で満足いく結果が残せていない」と彼は語ったが今回の彼と同じことを果たして何人出来るだろうか?
今回の結果を一つの自信として今後の人生に役立てていただきたいと思う。そして今一度チームを優勝に導いた大将の偉業をたたえていただければと思う。

開始日時:2015/04/26(日) 00:00:00
先手:私(苫小牧支部)
後手:栃木中支部
手合割:平手
▲7六歩  △3四歩  ▲2六歩  △3二金  ▲2五歩  △3三角  
▲3八銀  △2二銀  ▲3三角成 △同 銀  ▲7八銀  △8四歩  
▲7七銀  △8五歩  ▲2七銀  △7二銀  ▲2六銀  △1四歩  
▲1六歩  △6四歩  ▲1五歩  △同 歩  ▲同 銀  △同 香  
▲同 香  △1六歩  ▲1八歩  △4五角  ▲5六香  △2七銀  
▲5八飛  △1八銀成 ▲1二香成 △2九成銀 ▲2一成香 △1七歩成 
▲1一角  △6五桂  ▲4六歩  △5六角  ▲同 歩  △5七香  
▲4五桂  △4二銀  ▲2二成香 △同 金  ▲同角成  △5八香成 
▲同 玉  △1八飛  ▲4八香  △6三銀  ▲3六角  △6二玉  
▲1八角  △同 と  ▲3二馬  △5一銀  ▲1二飛  △7一玉  
▲5三桂不成△2八と  ▲6六銀  △5七歩  ▲同 銀  △3九と  
▲5九金右 △8八角  ▲6一桂成 △同 玉  ▲4三馬  △5二香  
▲9八金  △5七桂成 ▲同 玉  △6五桂  ▲同 馬  △同 歩  
▲5三桂  △同 香  ▲8二飛成 △5六香  ▲同 玉  △4四桂  
▲5七玉  △7九角打 ▲6八香  △5六歩  ▲4七玉  △3八銀  
▲5八玉  △6八角成 ▲同 玉  
 まで、93手で先手勝ち


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