・今日は月例会がありました。(参加者8名)
Aブロック
1 敦澤・・・2×(7枚)、3○(2枚)、4○(8枚)
2 中尾(子)・・・1○(7枚)、3×(平)、4○(平)
3 三角・・・1×(2枚)、2○(平)、4○(2枚)
4 西島・・・1×(8枚)、2×(平)、3×(2枚)
Bブロック(総平手)
1 明内・・・2×、3×、4○
2 中尾(父)・・・1○、3×、4×
3 原田・・・1×、2○、4×
4 三島・・・1○、2○、3○
総合優勝 三島拓晃(両ブロック通じて全勝1名のため決定戦なし)
さて、例会とは少々離れて「指導とは何か?」というお話。
これは昨日の指導での局面。ざっくりした局面なので細かい点かなり違うがご了承いただきたい。
この局面で何を下手に言うか。私の場合「大きい駒でなにか駒を取ってみようか」といってみる。
最初△87竜としたのだが「ん~、悪くないけどもっと得になる手がある。なんか遠くから取れる駒無いか探してみて」というと少し時間はかかったが△77角成にたどり着く。「そうだね。駒も取れて竜のほかに馬も作ることができたね。なるべく飛車や角が成れる手を考えるようにしよう」。と教える。
他人の指導を見て良くないなと思うのはこういう事例で「△89成香とか△77角成とかいろんな手がある」みたいに意味も説明しないでいきなり「答え」を教えるパターン。
次の事例をご覧いただきたい
これも昨日の局面。下手が今一番ほしい駒はなにか?という問題。この場合78においてある金を下手の持ち駒にしてあげて「どこに使ったら一番良いと思う?」と聞いてみる。1手詰ができるレベルまで行ってれば少々時間がかかっても△36金にたどり着くはず。
さて、ここまで来ると「じゃあ、狙いたい駒はどこにあるかな?」ということで78の金にたどり着く。
ここまでくれば50%は成功である。じゃあ具体的にどうするの?というが本題となるのだが、ほとんどの場合は△89成香か△98成香に行くと思う(昨日もそうだった)が、「それも悪くないけど追っかけるのに時間かかりそうだよね。それより自分の陣地に強い駒無いかな?それを使いたいよね」ってことで△87成桂にたどり着いた(極端な話だが最低限の将棋のセンスがあるかどうかはここまでのヒントで△87成桂が発見できるかでわかると思う)
以下▲87同金、△98飛成に▲88歩と打って「桂馬捨てちゃったけど歩を打たれて金取れなくない?」とわざとらしく聞いてみる。この時に△87竜にたどり着けたら85%成功である。
残りに15%は「じゃあ金を逃げてみよう」と言って逃げたときにどうするかを問うてみる。すぐにわからなければ「せっかく作った竜だから相手の王様を攻めすいように使ってみよう」ヒントを与えてみると、38や48や28に竜を持っていくことができると思う。ここまでできたらパーフェクトである。
最後の事例である。
これは今日の局面。実戦は△87飛成、▲45玉以下上手玉が上のほうに抜けてしまった。
そこで、まずは「飛車を成る手も大きいけど、もっと相手の王様に迫る手を考えてみようか。さっきは上に逃げられたらつかまらなくなったよね。だからまずは、上に逃げられないように持ち駒を使って攻めてみようか」といってみる。最初は「あ、わかった」と言って△46金と指したがもう一回考えさせて見て△35金までたどり着く。「そうだね、これで上に行けなくなったから下に行くしかないね。その後はどうするかな?」というと最初△26香と指したのだが、「香車は直接打つと1マス分しか動けないけど遠くから打ったら動けるマスが多くなるよ」と言ったら24に打ってくれた。以下▲18玉に「どうしようかな」と悩んでいたので「なんか強い駒使ってみようか」というと△46馬に気づいてくれた。以下適当に▲54金とか指しておいて△28馬まで投了である。△46馬のところ△27歩もあるだろうが、そこはまあ、お好みでってことで。
さて、三つの事例をご覧いただいて言いたかったことは、あくまでも正解手を指すのは本人でなくてはならないということ。他人に「こういう手があるんだ」と言われて指したところで1週間後にはきれいさっぱり忘れているはずである。上手はいかにして下手を正解に導くかのヒントを考える。下手によっては少ないヒントですぐに気付く子もいれば時間のかかる子も当然いる。それは上手が辛抱しなければならないことである。逆に言ったらそれが我慢できない上手は初めから指導者向きではないということ。子供や初心者に「向上心を持ちなさい」と言う指導者がたくさんいるが、実は子供や初心者以上に指導する側が向上心を持たないといけないと感じている。(8枚落ちで端一点集中作戦の定跡を教えて終わりになっている指導者を見ると「ホントにそれでいいのかな?」と思ってしまう)