・先日の子供教室での将棋から(その2)。高校1年生と中学1年生の子との将棋。二人ともこちらの方面の子供では5指に入るレベルかと思う。
ここで▲48銀と引いた手は良い感覚をしているなと思った。角筋を通しておいて反撃の準備を整える意味である。
実戦の進行とわずかに違う局面だが、ここで▲23歩と打って△同飛(△同金は▲26飛)、▲24歩、△同角、▲26飛、△57角成、▲23飛成、△58角、▲59玉、△67角成、▲32竜という変化(次の図)先手が勝ちかと思ったが・・・
この時に△62金打は金を手放すので▲67金で先手が勝ちそう。△62金と節約するのは▲61銀以下詰み(△同玉は▲51金以下、△82玉、▲62竜、△93玉は▲84金以下)だが△63玉と逃げるとどうか?▲43飛、△53金、▲67金みたいな感じで先手勝つか?・・・非常に難解な変化である。
なお、実戦は2番目の図のところで角を68に引いたため、同じ変化になった時に▲26飛と銀を取った瞬間△68角成(王手)で泣くことになる。1路の違いが大きい・・・
で、実戦の進行。ここでは△28歩でも△28飛成でも後手が勝勢だが△24角という謎な手が出る。それに対して▲79玉と寄った手は好感が持てる。個人的にはこういう手を当たり前に指せる子は高評価になりやすいのである。
実は逆転したんじゃないかと思っていた。次に▲68飛と回って▲65歩突く手が猛烈に厳しいと思っていたからだが・・・△46桂というハッ!とする手が出た。僕も読みに無かったが指されてみるとこれもなるほどと思う。▲同角、△同歩、▲65歩と勝負するところかもしれないがそれを期待するのは酷だと思う。それより△46桂をほめたい。後手の子はホントに三振もするがホームランも打つタイプ。こういう子の評価は難しい。逆に先手の子はホームランも打たないけど出塁率が高いタイプ。こういう子のほうが評価するほうは楽という気がしている。
先日の将棋と合わせて2局とも力の入った面白い将棋でした。