子供教室で使おうと思った「終盤の考え方」について。
この局面で先手の番ならどう指すのか?という問題。まずやってしまいがちな攻め方としては▲22金という力押しの攻め方だが、これは先手の攻め駒が持ち駒を加えて3に対して後手の守り駒も玉を足して3なので3-3=0で攻めたほうが失敗。この間の教室でも言ったが「自分の駒-相手の駒」の引き算が0以下の場合最後に残るのは「相手の駒」なのである。また、この場合▲22金には△42玉という手もあり(どちらかというとこちらのほうが良い)32の金を取っても5筋より左側に逃がしてしまう。
次に考えられるのは自然に▲32成香と金を取る手だが、以下△32同玉、▲34銀or金という手が思い浮かべばかなり立派だが、この場合はその瞬間に△17香(王手)、▲同玉、△28金、▲同玉、△39角成、▲18玉、△17歩成(詰み)で頓死してしまう。
さて、じゃあどうすれば良いか?というところだが、後手の玉の守り駒として最大に働いている駒はどれか?ということに注目すると、それが金であると気付くと思う。なのでそれを無力化することを考えてみる。というわけで▲43銀と打つ。△43同金or△23金は32の地点が守り1(玉のみ)なので▲32金と打つと2-1=1で詰みとなる。「金はななめに誘え」という格言があるがこれはその典型。
守りのうまい人はそこで△41玉と逃げる手を考えるが、▲32成香(間違っても▲32金としないこと)に△51玉と広いほうに逃げるが、▲63金としばることで詰めやすい形を作ることができる。この後は△62金と受けるのが一番難しいが、それは割愛するとして、終盤の考え方として自玉の安全度(渡して良い駒は何か?とか)と相手の玉の詰めやすさを考えることが大事である。(つってもこの例題ははっきり言ってうちの生徒じゃ難しすぎるけどね・・・というか終盤より序盤をどうにかしてほしいが)